あらすじ
エーミールの収集していた蝶の標本を出来心から盗み、誤って破壊してしまった少年。
慌ててとんずらした少年は、その後意を決して、エーミールの元へ向かうのだった。
ぼくは出かけていき、エーミールは、と尋ねた。
彼は出てきて、すぐに、だれかがヤママユガをだいなしにしてしまった。悪いやつがやったのか、あるいはネコがやったのかわからない、と語った。
そこで、それはぼくがやったのだと言った。何を言われるか怖くなったので逃げてしまった、と説明した。
すると、エーミールは激したり、どなりつけたりなどはしないで、じっとぼくを見つめ、
「そうか、そうか、やってしまったことは仕方がない。ただ、もう二度としないと約束してくれ。あと、俺は話が通じないやつじゃない、怖がらなくていいからな。」と言った。
ぼくはすんでのところで泣くところだった。エーミールはいいやつだった。ぼくは、本当に申し訳なくなった。